今の仕事に不満はない。
なかなかない配慮の行き届いた環境を
用意してくれている。
それじゃ物足りないと思うのは
わがままかな?身の程知らず?
小さい頃は制約なんて何にも考えてなかった。
当たり前のようにそのまま大人になって
通訳者になれると思っていたし、
お母さんの力になりたいと思っていた。
私はどうして耳を閉じたんだろう?
何が怖かったんだろうか?
現実を知ること?母との確執?
自立がそんなに怖かったんだろうか?
私の中に目覚める自我への恐怖?
でも聞こえなくなればいいのに!って思った気がする。
お母さんと離れたかったのかな?
離れて人生を送りたかった。
聞こえなくなれば自由にできると思ったんだ。
でも違った。
聞こえなくなってお母さんが言った一言を。
あなたは未来のろうあ協会の会長だね。
聞こえても聞こえなくても
母の支配は変わらなかった。
私の思考は停止した。
いろんなことが悔やまれる。
無駄にしてきた20年はあまりにも大きい。
どんな風に生きていけば取り戻せるんだろう?
私らしく私らしく。
そうするしか、取り戻せない。